パスカルの原理(定義)
密閉された容器の中の液体に圧力をかけると、その圧力は液体のすべての方向へ等しく伝わる。
液体(水やオイル)は、密閉された空間で押されると逃げ場を探しその力を全体で受ける性質を持ちます。
液体は圧縮されにくいので、力が弱まることなく他の場所へ均等に伝わります。
液体にかかる圧力は同じでも、面積が大きければ力も大きくなります。
圧力(Pa) = 力(N) ÷ 面積(m²)
力(N) = 圧力 (Pa)× 面積(m²)
この性質を利用したのがブレーキ装置です。ペダルを踏むと、小さな面積のピストンがブレーキオイルを押し、その圧力が配管を通じて大きな面積のピストンに伝わります。小さな力が大きな力に変わり、ピストンがブレーキパッドを押してブレーキローターを挟み、車を停止させます。
空気(気体)も液体と同じように圧力を全体に伝える性質があります。
しかし気体は液体よりも圧縮しやすい性質があるため、圧力は全体に伝わるものの、力の伝わり方に変化が生じやすく、安定性や正確性では液体に劣ります。
この性質を利用したのが、タイヤです。タイヤがふくらむのは押した空気の力が、タイヤ全体に均等に広がる、タイヤのすべての壁面に、同じ力がかかることになります。