オルタネーターの役割
オルタネーターは、エンジンの回転を利用して電気をつくり出す装置です。車のライトやカーナビ、エアコンなどの電装品に電力を供給したり、バッテリーを充電したりする役割をします。
エンジンがかかっている間は、車の電気のほとんどをオルタネーターがまかなっています。
主な構成部品
- プーリー
- ローター(回転する電磁石)
- スリップリングとブラシ
- ステーターコイル
- ダイオード(整流器)
- レギュレーター
- ファン
- ケース(ハウジング)
発電のしくみ(部品の働きとあわせて)
- エンジンがかかると、クランクシャフトの回転がベルトを通じてオルタネーターのプーリーに伝わります。
エンジンの回転力を受け取って、内部のローター(回転する電磁石)を回転させます。 - ローターは、スリップリングとブラシを通じて電気(励磁電流)を受け取り、電磁石として機能します。
このローターが高速で回転することで、周囲にあるステーターコイルに磁界の変化が生まれます。 - 磁界の変化によって、ステーターコイルの中に交流電流(AC)が発生します。
車のバッテリーや電装品は直流電流(DC)で動くため、ここでダイオード(整流器)が交流を直流に変換する役割を持っています。 - 次に、レギュレーターが電圧を一定に保ち、バッテリーや電装品に安定した電力を送ります。
- オルタネーターは高速で回転し続けるため、内部に熱がこもります。
この熱を逃がすために、ファンが内蔵されており、空気を取り込んで冷却します。
これらすべての部品は、ケース(ハウジング)に収められています。
よくある故障の症状と原因例
- バッテリー警告灯が点灯する
- オルタネーターの発電不足(レギュレーター不良、ブラシ摩耗など)
- ベルト
- 接続不良(配線の断線・腐食)
- レギュレーターが異常電圧を出力
- バッテリーが頻繁に上がる(新品に変えたばかりでも)
- オルタネーターの充電不良(出力電圧・電流が不足している)
- ステーターコイルやダイオードの故障
- 暗電流(イグニッションOFFでも電力を消費する故障)
- バッテリー端子の腐食または接触不良
- エンジンのかかりが悪くなる/始動できない
- オルタネーターの故障によりバッテリーが充電されていない
- バッテリー
- バッテリー配線の断線・腐食
- ヘッドライトや電装品の動作が不安定になる
- 出力電圧が不安定(レギュレーターの故障)
- スリップリングやブラシの摩耗
- オルタネーターの出力不足
- ダイオードの不良
- エンジンルームから異音がする
- オルタネーター内部のベアリング劣化や破損
- ドライブベルトの鳴き(張り過ぎ・緩み・劣化)
- ファンの破損や干渉音
- 異臭がする(ツンとする匂い)
- オルタネーターの故障によりバッテリーに過剰に電力が供給
- 走行中にハンドルやブレーキが重くなる
- オルタネーターが故障し電動アシスト機能が低下又は停止
- 走行中にエンジンが停止する
- オルタネーターの出力不足で電装系に十分な電力が供給されない
- 過電圧または過電流によりECUが保護動作で停止
- バッテリーが完全放電